Open AIのChatGPTとGoogleのBardに、システム開発について、いろいろと尋ねてみました。

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さらに、それぞれのサービスが、どんなことを手伝ってくれるのかを尋ねてみました。

ChatGPTは、強気なBardよりも謙虚な（あるいはリスクテイクした）発言をしています（笑）。さらに、どのプロセスに最も寄与できるかを尋ねました。

Bardのほうが、こちらの意図を的確に捉えて（？）、要点を絞り込んだ回答をしているように見えます。もちろん「コードの記述」の生産性があがることは、ChatGPTでも同様です。これは、当然と言えば当然で、両サービスのベースとなっているLLM（大規模言語モデル）は、言葉の出現確率に基づき、文章を生成しているわけです。自然言語に比べて、文法に曖昧さが少なく、言葉のバリエーションも多くないプログラミング言語であれば、的確なコードを記述できる可能性は高く、コードの記述の生産性の向上には、貢献してくれそうです。

次に対応している言語についても尋ねてみました。

これだけの言語を駆使できるプログラマーは、そういるものではありません。

さて、今度は、システム稼働後の運用や保守、サポートについて、尋ねてみました。

このフェーズで、どんなことができるのかをさらに尋ねてみました。

どこまで、本当にやってくれるのかは、直接は確認してはいませんが、ネットの記事をいろいろと見ていると、システムの開発や運用・保守のかなりの広範な作業を代替してくれそうです。特に、コードの記述やテスト・コードの作成、バグ取りやリファクタリングなどの作業については、相当に任せられるようです。また、ドキュメントの作成では、メモをそれなりの文章に仕上げてくれるので、下書きとして、使っているという人もいるようです。

開発や運用については、生産性を向上させたいというニーズは、かなりあると思われますので、そのためのプロンプトやAPIを組み込んだツールが整備されていくはずです。この現実を素直に受け止めれば、人月工数で収益を上げているSIやSESの事業者にとっては、死活問題といえるでしょう。

一方でこの動きは、ユーザー企業における「システムの内製化」を拡大、加速することになるでしょう。いま、内製を拡大、問題加速する上で、大きな障害となるのが、プログラミング・スキルを持つ人材を採用することや育成することの難しさです。これに対処する手段として、ローコード開発ツールが注目されていますが、できることには制約があります。また、十分に使いこなすには、（コーディング以外の）システム開発スキルが必要です。

しかし、生成AIであれば、適切なプロンプト（指示文）を自然言語で書ければ、相応のプログラムを書いてくれるわけですから、プログラミング言語の文法の難しさや、ツールの制約から解放されます。

ビジネスの最前線で業務に精通した人であれば、「プロンプト（論理的な説明文）を書くためのスキル」を磨くことで、相応のシステムを開発できます。これは、プログラミング言語の文法や作法を覚えるよりもハードルが低いかも知れません。そうなれば、内製要員の不足は緩和されるでしょう。

残念なことですが、内製化の目的を「コストの削減」と考えている企業が、かなりの割合を占めているようです。調査したガートナーのアナリストが「SI事業者にやらせるとお金が出て行くが、社員ならタダ」という考えが根底にあるのではと指摘しています。この背景にあるのは、「情報システムはやむを得ざるコストであり、事業価値を高める投資ではない」という昔ながらの情報システムに対する価値観があるからだと思います。

しかし、もはやそういう時代ではなくなりました。情報システムを駆使して事業を差別化して競争力を高めることや、さらに先を行く企業では、デジタル前提の社会に適応するためにビジネス・モデルやビジネス・プロセスを作り直そうとしている企業も増えています。そうなると、情報システムは、業務との一体感を高めなくてはなりません。つまり、業務ニーズに直ちに応えて、開発や改善を高速に繰り返す、つまり「アジャイル（変化に俊敏に対応すること）」であることが必要です。内製化とは、そのための手段以外の何ものでもありません。

このような情報システムの「あるべき姿」へのシフトは、間違えなく進み、内製化を促します。これまた、人月工数で収益を上げているSIやSESの事業者にとっては、大きな脅威になります。

もちろん、生成AIに頼れば、ITの専門家が不要になるわけではありません。むしろこれまで以上に、ITアーキテクチャーやコンピューター・サイエンスなどについての高度な専門性を持ち、次のようなスキルを持つ人材の需要は増えるでしょう。

• データベースやトランザクション、ネットワークなどを設計する知識やスキル
• アジャイル開発やDevOpsなどの開発や運用に関わる知識やスキル
• ITサービスやツールなどを目利きし実践の現場で使えるようにするスキル　など

どんなに優れたプログラムであっても、それを実務で使うための土台を作れなくてはなりません。確かに、クラウドの進化と普及によって、技術的な難しさのハードルは下がりましたが、ITに関わる基礎的な知識の厚みなくして、このようなことはできません。

また、業務課題を定義し、課題解決の戦略を組み立て、実践のプロセスを設計できる人材も必要です。価値観もなく、夢や理想を描けず、意志を持たないLLMが、「何がしたいのか」を自分で決めることはできないからです。

ビジネス・プロセス全体を見通し、情報システムのEoL（End of Life）を定め、ライフサイクルを描く能力は、システム・エンジニアリングを理解し、業務や経営に知見を持ち、言葉にはできない体験知／暗黙知をも総動員しなければ磨かれることはありません。

生成AIと人間の役割分担を、あらためて整理すれば、次のようになるでしょう。

• 人間は、価値観に基づく意志決定を下す。
  • 課題を定義し、いかなるやり方でこの業務課題を解決するかを決定する。
  • 業務課題を解決するための戦略を描く。
  • 要件を明確にし、優先順位を決める。
• 生成AIは、知的力仕事を代替する。
  • ドキュメンテーションの下書きをする。
  • コードの記述を支援する。
  • テスト・コードを作成する。
  • テストしてバグを見つけ出す。
  • プログラムを修正する、リファクタリングを支援する。
• 人間は、体験知／暗黙知を駆使して、評価し判断する。
  • 開発と運用の全体プロセスを設計し、要件を明確にする。
  • コードのロジックの妥当性を目的や要件に即して評価する。
  • システムを実行する環境や仕組みを設計、構築する。
  • システムを実行するために必要な組織や体制を整える。
  • 必要な知識やスキルを定め、人材を育成する。

生成AIが能力を向上させても、人間にしかできないことは、広範に残りますが、そんな人間にしかできないことの生産性もまた、生成AIを使えば、向上します。なぜ生産性が向上するかですが、次のようなことが考えられます。

専門的知識をいつでもどこでも利用できる：自分の専門外、あるいは、経験や知識の足りない部分を、知識豊富な専門家（？）である生成AIに尋ねることができ、直ちにアドバイスをもらえる。また、自分では知らない、使いこなしていない機能を全て知っているので、それらを総動員して、効率的、効果的なコードを生成してくれる。

知的力仕事を代替してくれる：定型的なドキュメンテーションやコードの記述、テーブルの作成などの、何をするかが決まっている、その手順も決まっている、なんども繰り返されるといった、作業を代替させられる。

自分たちにはない専門家の知恵やスキル、人手が足りずにこなしきれない知的力仕事を、これまでは、SI事業者やSES事業者に頼っていました。ここに工数需要の源泉がありました。これが、大幅に削減されるわけです。

もちろん、「何を知りたいのか、何を解決したいのか」という「問いを立てる」能力がなければ、「専門的知識」は使いこなせません。何をしたいのかを決定する「意志」とそれを伝える能力や結果を読解するための「言語能力」がなければ、知的力仕事を代替させることはできません。

まあ、生成AIを使うか否かにかかわらず、こういう能力は、仕事を依頼するには、必ず必要な能力です。仕事を頼む相手が、人間からAIに代わっただけとも言えるでしょう。だから、人間に依頼するにしろ、AIを使うにしろ、問題結局のところ、問題こういう能力は必要です。つまり、こういう能力を磨いていけば、生成AIがどれほど発展、普及しても、仕事を失うことはないということです。

ただ、これができる人が少ないから、システム開発の生産性は上がらないわけで、AIを使う以前の問題として、この辺りの能力を磨く努力をすべきかも知れません。

ところで、こういう能力をユーザー企業が意図して磨いていけば、内製の拡大は容易になるはずです。

ITの進化の歴史をたどれば、曖昧な人間世界のものごとを、厳密に定義された記述や命令しかこなせないコンピューターにうまく伝えるために、プログラム言語やUMLのような手段が作られました。しかし、それらを駆使するには、人間側が、それらの文法や作法を理解し、厳格に従う必要がありました。

その難しさを緩和する手段として、曖昧さをある程度許容してくれるpythonのようなプログラミング言語や、厳格な作法や文法を知らなくても業務の知識があれば、プログラムを作れるノーコード／ローコード開発ツールが登場しました。言わば、コンピューター側から歩み寄って、この課題を解決しようというわけです。生成AIの登場もそんなトレンドの一環と捉えることができるでしょう。

生成AIの登場以前から、システムの開発や運用の生産性を上げるための様々な努力が積み重ねられてきたわけで、それは大きな成果を上げてきました。生成AIの登場は、この流れを加速するでしょうが、本質的なトレンドの潮流が、変わったわけではありません。

また、折しも「DXの大号令」のもと、開発すべきシステムのテーマも増え、変化への俊敏性も求められるようになり、このニーズに応えようと生成AIは、さらに進化し、積極的に受け入れられるでしょう。また、クラウドやアジャイル開発、DevOpsとともに、システム内製化を拡大、加速させることになるはずです。

このような変化に抗うことはできません。ならばこの変化を積極的に取り込み、ビジネス・チャンスを作らなくてはなりません。そのためには、前述した「人間にしかできないこと」の能力を高めるための施策が必要です。SI／SESの事業者は、そのためのアンラーニング／リスキリングを優先度を上げて取り組むべきだと思います。

生成AIの進化のスピードは、これまでの常識を凌いでいます。当然にそのための施策もまた、その先を行くスピードを持たなくてはならないことは、言うまでもありません。

自己研鑽をみんなで楽しむコミュニティ・MATO塾のご案内

5月27日（土）10:00〜12:00　8MATO塾・第3回

八ヶ岳で働いて暮らそう！起業・複業の場所としての魅力と八ヶ岳での働き方について

八ヶ岳エリアで働きながら暮らしている実例も紹介し、地域での起業・複業について、その魅力や具体的な働き方についてお話しします。

近年八ヶ岳エリアは移住先として人気になっていますが移住検討者にとって大きな懸念となるのが仕事です。八ヶ岳移住者の働き方の実例を紹介することで移住後の働き方を具体的にイメージすることができます。

また、八ヶ岳で新しい自分に出会うプログラム、「ヤツクル」もご紹介します。ヤツクルは以下のような体験ができます。

• 日常を離れた八ヶ岳で自分の望むライフスタイルを「振り返る」
• 新しいライフスタイルを実践し、八ヶ岳で働き暮らす人と「交流する」
• 豊かな八ヶ岳の自然を利用したリトリート活動を「体験する」

八ヶ岳での自由で創造的なライフスタイルに興味を持っている方、ぜひご参加ください。

講師：玉利 裕重／ヤツナビ　八ヶ岳移住・ワーケーション情報

ワークスタイルが多様化し、働き方の選択肢もまた多様化しています。起業、移住、2拠点生活も、特別な時代ではありませんし、私も含めて、多くの皆さんがこれを実践しています。

でも、いざ自分のこととなると、本当にできるだろうかと不安を感じられる方は少なくないはずです。そんな皆さんの不安を埋めるお手伝いができるのではないかと思います。

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【募集開始】次期・ITソリューション塾・第43期（5/17開講）

ChatGPTをはじめとした生成AIの登場により、ここ数ヶ月で、IT界隈の常識が一気に塗り替えられた気がします。スマートフォンの登場により、私たちの日常が大きく変わってしまったことに匹敵する、大きな変化の波が押し寄せているようです。ブロックチェーンやWeb3、メタバースといったテクノロジーと相まって、いま社会は大きく動こうとしています。

ITに関わる仕事をしているならば、このような変化の本質を正しく理解し、自分たちのビジネスに、あるいは、お客様の事業活動に、どのように使っていけばいいのかを語れなくてはなりません。

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• 内容：

• デジタル・トランスフォーメーションの本質
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• DXの基盤となるIoT（モノのインターネット）と5G
• データを価値に変えるAI（人工知能）とデータサイエンス
• おさえておきたい注目のテクノロジー／Web3と量子コンピューティング
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• 経営のためのセキュリティの基礎と本質
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第1回・8MATO塾を開講　4/29 土　10:00-12:00
デジタルとは何か ～ DXを語る前に先ずは「デジタル」の意味を知っておこう
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ITの専門家でなくても分かるように、「デジタルとは何か」を解説します。
デジタル・トランスフォーメーション（DX）、デジタル・ビジネス、デジタル戦略など、「デジタル」という言葉が、世間にあふれています。そんな「デジタル」について、あなたは説明できるでしょうか？デジタルとITの違いや関係についてはどうでしょう。デジタル化とDXとの違いはいかがですか？

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お茶やコーヒー、設備や機材は、自由にご利用頂けます。延長でご利用（ 追加:1650円・税込み）頂くこともできます。
地元の食材や無添加に拘ったランチも用意しています。

【募集開始】新入社員のための「１日研修／1万円」・最新ITトレンドとソリューション営業

最新ITトレンド研修

社会人として必要なデジタル・リテラシーを手に入れる

ChatGPTなどの生成AIは、ビジネスのあり方を大きく変えようとしています。クラウドはもはや前提となり、ゼロトラスト・セキュリティやサーバーレスを避けることはできません。アジャイル開発やDevOps、マイクロ・サービスやコンテナは、DXとともに当たり前に語られるようになりました。

そんな、いまの常識を知らないままに、現場に放り出され、会話についていけず、自信を無くし、不安をいだいている新入社員も少なくないようです。

そんな彼らに、いまの常識を、体系的にわかりやすく解説し、これから取り組む自分の仕事に自信とやり甲斐を持ってもらおうと、この研修を企画しました。

【前提知識は不要】

ITについての前提知識は不要です。ITベンダー／SI事業者であるかどうかにかかわらず、ユーザー企業の皆様にもご参加頂けます。

ソリューション営業研修

デジタルが前提の社会に対応できる営業の役割や仕事の進め方を学ぶ

コロナ禍をきっかけに、ビジネス環境が大きく変わってしまいました。営業のやり方は、これまでのままでは、うまくいきません。案件のきっかけをつかむには、そして、クローズに持ち込むには、お客様の課題に的確に切り込み、いまの時代にふさわしい解決策を提示し、最適解を教えられる営業になる必要があります。

お客様からの要望や期待に応えて、迅速に対応するだけではなく、お客様の良き相談相手、あるいは教師となって、お客様の要望や期待を引き出すことが、これからの営業に求められる能力です。そんな営業になるための基本を学びます。

新入社員以外のみなさんへ

新入社員以外の若手にも参加してもらいたいと思い、3年目以降の人たちの参加費も低額に抑えました。改めて、いまの自分とこれからを考える機会にして下さい。また、IT業界以外からIT業界へのキャリア転職された方にとってもいいと思います。

人材育成のご担当者様にとっては、研修のノウハウを学ぶ機会となるはずです。教材は全て差し上げますので、自社のプログラムを開発するための参考にしてください。

目次

• 第1章　コロナ禍が加速した社会の変化とITトレンド
• 第2章　最新のITトレンドを理解するためのデジタルとITの基本
• 第3章　ビジネスに変革を迫るデジタル・トランスフォーメーション
• 第4章　DXを支えるITインフラストラクチャー
• 第5章　コンピューターの使い方の新しい常識となったクラウド・コンピューティング
• 第6章　デジタル前提の社会に適応するためのサイバー・セキュリティ
• 第7章　あらゆるものごとやできごとをデータでつなぐIoTと5G
• 第8章　複雑化する社会を理解し適応するためのAIとデータ・サイエンス
• 第9章　圧倒的なスピードが求められる開発と運用
• 第10章　いま注目しておきたいテクノロジー

神社の杜のワーキング・プレイス 8MATO

8MATOのご紹介は、こちらをご覧下さい。